一口に整体と言っても、整体を手技でやる方法もあれば、専用の道具を使う方法もあります。

施術者が施術する整体も有名ですが、自己で整体する自己整体なんかも有名です。

ところが、患者さんの多くは、「整体とはこういうものしかない」という独自のたった一つの概念を突き付けてきます。

しかもそれは、その患者さんが頭で思い描く、酷くあやふやなイメージの整体であり、その謎の整体の概念の説明は難しいみたいです。

その(整体?)の理論の提唱者は誰?その(整体?)の第一人者や有名な施術者は?

整体について聞かれたら、まず、患者さんにこれを確認したいのですが、疑問には答えてくれません。模範解答として「D.D.パーマー」と返ってくるか、「橋本敬三」と返ってくるかで会話の内容が変わりますが、有名な整体師も鍼灸師も一人も知らないと言われれば、会話はそこで終了します。

鍼灸の場合、東洋医学の活用を竹山晋一郎が提唱したことでアメリカ、ドイツ、フランス等、世界中に東洋医学が浸透しました。

あるいは、柳谷素霊先生を出すべきか?それでも間違いは無いでしょう。

八木下勝之助をモデルとして、当時、北里大学東洋医学総合研究所の初代所長の岡部素道先生が考案した鍼灸のテンプレートがいわゆる、今日の経絡治療の初期モデルです。

といった具合で「提唱者」「初期モデル」みたいなのを提示しないと、会話が成り立たないのです。

鍼灸で身体のバランスを整えるとは、考えていない人も結構います。先輩方には失礼ですが、経絡治療はネーミングが下手だと思います。

そのせいで受けが悪いもだと私は思います。↓理由

経絡とはどんな部位?

経絡は英語では「meridians」です。

試しにGoogle翻訳で確認してみてください。この人体のメリディアンを使用してバランスを調整するのが経絡治療ですが、何か言葉足らずな感が否めません。経絡調整治療といいましょうか、筋肉や内臓を正常化する目的で、経絡上の経穴を使用します。

ついでに経絡は「meridians」なんだから、神経系の「Nervous」と一緒にしないで。とも追記しておきます。

人体を地球に例えると、その体表には川があり、海があり、山があります。

尺沢穴はと言う沢は腕を曲げた所にできる沢だし、曲泉穴は膝を曲げたときにできる泉です。山は陽経で谷は陰経で・・・つまり施術する上で重要な部位は体表です。

整体や鍼灸があやふやな元凶

整体や鍼灸についてあやふやな方に、逆にこちらから質問してみると、そういった方は鍼灸や整体の専門書はもちろん、漫画や小説の一冊も読んだことが解りました。

それでは、誤解だけが独り歩きすることになります。

学術書でなくとも、漫画の一冊でも読んでいるなら、話しの糸口も見つけられそうですが、ゼロを突き付けられるとお手上げです。

経絡治療の定義

経絡治療の定義を巡って、鍼灸師同士でも意見が分れることもあります。

そのことを鑑みると、原点に還る必要があります。

原点は・・・と、ここでウイキペディアからコピーっと

>経絡治療(けいらくちりょう)とは、東京鍼灸医学校の校長であった柳谷素霊の教え子である岡部素道と井上恵理と自身の治療体験に感動し新聞記者から転進して鍼灸の道に進んできた竹山晋一郎が中心となり作られた経絡の虚実を調整する事を目的とした鍼灸治療における治療術のひとつである。

経絡治療のモデルとなったのは、茨城県で西村流の流れを組む八木下勝之助の臨床とされている

という完璧な説明が書いてありました。

情報に関しての疑問は本を読むか、ネットで調べたら大抵の事は解決しますよ。

そのネットでも岡部素道先生についての情報が少なかったので、私なりに補足していきます。

「北里方式経絡治療」で検索すると北里大学東洋医学総合研究所のホームページに

>治療には、「経絡治療」という、気や血を体に巡らす鍼灸の刺激を伝えるルートである経絡の病的状態を脈診で診断して必要な経穴(ツボ)に浅い針をおこない経絡を調整し、身体のバランスを整える「本治法」と、症状に応じた対症療法的な治療「標治法」を併用した治療方法を基礎としています。開所以来、より合理的な治療法として初代鍼灸診療部長 岡部素道が提唱した「北里方式経絡治療」が現在まで踏襲されています。

と説明がありました。

経絡治療とは、岡部先生が当時の不治の病「肺結核」を克服する実話の物語です。

ジブリの映画「風立ちぬ」とか観ると当時の肺結核の恐ろしさが伝わり易いかも知れません。

私個人の花粉症を克服する、現代にありふれた物語とは、スケールが違うけれども、肺結核が今では現代医学で対処できるレアケースなので余計ややこしいのですが、要は、諦めるなという事です。ほとんどの人は慢性頭痛すらも、諦めてしまうのではないでしょうか?

もしも、岡部先生が諦めていたら、彼の人生は早々と終了して、私も花粉症で今も、のたうち回っていたと考えたら、その重要性が伝わるでしょうか?

あなたが、苦しんでいるのならば、同様に他の誰かも苦しんでいます。

という事は、解決法が既にある確率は高いです。あなたが知らないだけという確率が高いのです。

私は人生においてこの理論をよく持ち出します。

きっかけは、高校生の頃にMacを買って貰って、スティーブジョブスという人物を知ったからです。

高校以来、今でも度々、この引用が私の座右の銘になっています。

「解決法を自分で発案する必要はなくて、探すだけでよい」これよく言ってます。

私が高校生の頃はそれなりに景気が良かったにも関わらず、アップル社に限ってはそうではなかったので、周りにスティーブジョブスを知る人はいませんでした。

PCというと皆さん、マウスがあって、ハードディスクがあってと想像しますよね?

それがまだ浸透する以前の時代です。一番売れているパソコンはNECのMS-DOSでマウスは「そんなことにメモリを割り当てるんですか?」って感じでしたし、

パソコンのイメージがワープロとゲーム機のような感じだったので、フロッピーさえあれば、いい時代でした。

そんな時代に今みたいなパソコンをイメージして、具体的に形にしているわけですからMac信者からはスティーブジョブスは神様に見えていました。

その凄さを伝えるMac信者達は、その熱意からくる鬱陶しさから「エバンジェリスト」と冷ややかに言われていましたが、経絡治療同様、その凄さを伝える人はごく少数でとても難しい事です。

経絡治療の良さを伝えている人物は、メリカリに「鍼灸重宝記」や「十四経発揮」を出している人ですね。

彼等にとってそれは宝物のはずですが、所持者が高齢となり、その偉大な書物が宝物から一転して、誰にも理解できないゴミと化す前に、次の同志に託したんだな。と私は推察しています。

脱線しました。そのスティーブジョブスでしたね。

ジョブスがマウスを考えたわけではなく、元はアランケイという人物が考えたけれど、誰にもその良さが理解できず、放置されていたものを採用しただけで、自分で何でも考える必要ないという考えです。この考えに高校生の頃の自分は感銘を受けました。

よく、患者さんが私の治療を私独自のオリジナルや、手から何か出てるとか、勝手にイメージして、それを否定しても中々信じてもらえない事があります。

アランケイやスティーブジョブスみたいな天才がその辺りにゴロゴロしていないのと同様に、岡部素道先生や八木下勝之助先生も羽島市の田舎にいるはずがない。いや、その凄い天才ですら、独自のセンスで編み出したわけではなく、鍼灸重宝記や十四経発揮を最も熟読、実践したわけですから、出来の悪い空想は、本当に気分が悪くなる。

謙虚に誰かから学ぶ事で、その恩恵を受けられるのです。人間ってそういうものでしょ?

ちなみに、高校の時は天才プログラマー、ビルアトキンソンが一番好きでしたが、話しが脱線するのでこの話しはやめておきます。

鍼灸師では馬場白光先生が一番好きです。

スティーブジョブスもimacとスマホで成功しなかったら、一般の知名度は低かったと思います。一般に対しての知名度は低いけれど、凄い人、偉大な知識はたくさんあるので、皆さん、本を読むなり、ネットで調べるなりして、自分なりに尊敬できる人物を見つけてみたら、人生が豊かになると思いますよ。

これも有名な話しですが、

スティーブジョブスが晩年、鍼治療で癌を治そうとした話しも有名ですが、アメリカにそんなレベルの鍼灸師はいないだろうというのと、実際、現実的な話し、癌になる前に手を打てる先見性が「未病治」という概念です。大抵、気付いたら手遅れなので、その前に、同じ轍を踏まぬように手を打つというわけです。

やはりビルアトキンソンについて説明したい

ビルアトキンソンについて、調べてみたら気になる記事があったので、抜粋します。

>The software has been phenomenally successful and highly influential. But Atkinson feels that if only he’d realized separate cards and stacks could be linked on different people’s machines through the Net — instead of cards and stacks on a particular machine — he would have created the first Internet browser.

私の翻訳で申し訳ないのですが、要約すると、「(ハイパーカードというソフトに詳しい前提で)もし、一人の彼が、マシーンとマシーンをネットワークを介して、このソフトをリンクする事に気づいたならば、彼はインターネットブラウザを最初にクリエイトすることができた。というのをアトキンソンは感じていた。」みたいな内容です。

ハイパーカードを作ったのが、1987年ですから、マウスどころか、PCをネットワークで繋げるという概念すら、ほとんどの人に理解されなかった時代に当時のMACにはAppleTalkという独自規格のネットワーク機能すらあった。

ハイパーカードは全てのMacに無料でバンドルされており、私が使った経験では、ドロー以外の全ての機能があった。

簡単に言うと、私でもワープロソフトや表計算ソフトなんかは余裕で作れた。という事は、ネットワーク機能さえ備えているのだから、仮に社内LANを作って、ホストコンピューターに書きもむ形式にした場合、ハイパーカードはブラウザソフトとして機能できた。想像すると、当時の技術でも可能だったわけだ。↑の説明が無いと「フロッピーを抜き挿ししてた時代に噓だ」と言われかねない。

そこまでではないけれど、今こうして私のようなITとは関係ない一般人が、サイトを作ったりする未来が高校生の頃の私にも想像する事ができました。

正に現実になってますけどね。

ビルアトキンソンが常にジーニアスと称される理由がこれです。

こういう人が全然、有名にならないのが悲しい。理由は、単純に知る機会がないのか、スケールがでか過ぎて、ほとんどの人にイメージできないのか、あるいは、サイトを作る能力があっても、載せるべきサイトのサービスがないとか、形にしたいアイデアがない。そんな所でしょうか?

更に、現実離れした現実の話しが経絡治療です。↓

馬場白光先生について

私の手持ちの資料で、昭和51年つまり1976年の馬場白光先生の話しです。

医道の日本に掲載された。「しゃっくり治験」の話しを紹介します。

「73歳でしゃっくりの発作が16日間続き、呼吸器病棟に入院中。」

白光先生の話しはいつも、ハードルが高い。普通のしゃっくりではなく、横隔膜がまともに機能してなくて、死にかけてますね。

それが快方に向かうまでの経過が事細か(専門用語なので省きます)に記されています。

まぁ、私なら依頼されても断るし、予断を許さないこの状況で、そもそも依頼されませんからね。

漫画やドラマとかでブラックジャックみたいな、凄腕外科医が無双する話しが、人気ですが、現実には、メス入れた瞬間、もうそのダメージで死んでしまうようか、弱って予後が良くないといったケースが多いので、滅多な事は考えないで、本当に普段の健康管理が大切ですよ。

また、患者さんが私に、「講演しないの?」とか「本を書かないのか?」と実際に聞かれますが、「日本語で十二分に資料は用意されていますから、そんな必要ありませんよ。」と答えています。↓にその代わりを書きます。

20年経絡治療をして私が思う鍼灸の奥義

今の私が考える鍼灸の奥義ですが、↑の「しゃっくり治験」の話しにも載ってますから抜粋させて頂きます。

「然し(しかし)、この症例には、胆経の風池と風市に鍼の適応する硬結と皮下組織の緊張が明瞭に触知できたので、この場合胆経の治療をなおざりにすることは、治療家として堪え難いところでありました。」

この一文ですね。この一文が深い。何度も何度も頭の中でリフレインするフレーズ。

「しかし」とあるので、前半があるのですが、前半は長いので要約すると、「この症例(大腸経と胃経が弱く、胆経が強い)は難行で言うところの七十五難を連想させますよね?この説で言ったら胆経にも胃経にも鍼する必要はないんじゃないかと、「しかし」と後半部分に繋がります。

各界の名士の人達から、起死回生の土壇場、ここ一番の大勝負を依頼され、勝ち続けた秘訣がこれです。

頭でっかちだと七十五難を安易に用いたり、また、今の若い人は経絡治療と言っても、そこまで細かく脈を診てないんじゃですか?

特に実を実として捉えていないんじゃないかと。ちなみに、虚と実は国家試験に出るレベルの基本的、鍼灸の専門用語です。

胃経に鍼灸する事は、当たり前ですが、胆経の実を見逃したら、ダメという話しです。

実を見逃したらダメ実を写せ!これを臨床で度々、思い知らされます。